「オラッ! お前うぜぇんだよ!」
「う、ぐ」
ぐさ、なんて擬音が似合いそうなくらいに、僕のお腹につま先がめり込む。
僕はいじめられている。僕に限っては、別段珍しいことでもなんでもない。いつもの風景、他のクラスメイトも特に変わった様子もなく。
「……っ」
「なんだよ、その目は? まだ蹴られ足りないのかよ!」
後はもう手に負えない。されるがままに一方的な暴力を受け入れるしかない。……日常風景だ。
いつからだろうか、これを日常として容認してしまったのは。人間、諦めが肝心とはよく言ったもの。これを諦めたら、一生このままじゃないか。
考える。一生これが続く様を。今は小学生中学年。小学校にいる間は続くとしよう。次に、中学校。結局は同じ面々が繰り上がるだけ。高校、中学校ほどまではいかなくとも、自分のことを誰一人知らない環境にはならないだろう。
では、そうならない為に、僕は何を出来る。……今、この場で実行できる選択を、頭から捻り出す。そして、三つの選択肢が浮かんだ。
1.「いじめるんなら、そのいじめられている奴に殺される覚悟で手を出せよ」
2.「ごめんなさい、ごめんなさい」
3.「お前が僕を蹴ることにより、以下の弊害が起こる可能性がある」
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