――文明は崩壊した。
「えぇ、いきなり崩壊しちゃうの!?」
……文明はそこそこ崩壊した。
「そこそこってなんだよ! 大体、今日も今日とて暇すぎて飽き飽きするくらいの徒然過ぎる毎日だぜ!?」
200X年。日本は今日も平和に包まれていた。ガソリンが高いとか、牛肉に殺されるとか、そんな平和。そして、有り触れた中流家庭に位置する少年Aの家も、普通に平和平和しているのであった。
このお話は、私神様が少年Aにとり憑くという、ハートフルラヴロマンスアクションシリアスアドヴェンチャーな物語。
(ナレーションまじうぜぇ……)
同棲するようになり、次第に距離を縮めてゆく二人。惹かれあう運命の二人に、突如悪の手が忍び寄る! あぁ、どうなってしまうの! 互いに一夜をともにし契りを交し合った仲なのに、なぜ殺し合わねばいけないの! そして、次第に明らかになる世界の謎……! 我々はグレイに狙われている! 幕間には恒例、あーんなことやこーんなことが二人によって繰り広げられるッ! 彼の手が私の秘所に伸び、思わず濡れた吐息g
「うぜぇぇぇぇ! いい加減にしろぉおお!!」
あら、せっかちね坊や。女の人に嫌われるわよ。
「そもそもお前男だろっ!? 神様だろ!? あぁぁぁぁ、なんでこんな似非神様にとり憑かれたりしたんだぁぁ」
そう、思い返すは三日前。彼のいきり立ったジェントルが、私の口の前に運ばれる。知識では、この後に何をするかはわかっていた。しかし、体がそれを拒否する。すると、彼が自身のリビドーを無理やり私の口n
「ちげぇぇぇ! それ全くちげぇぇぇ!」
チゲは美味いな、チゲは。冬にチゲ鍋もいいが、夏にするのもまた一興。中々に食欲をそそることを言ってくれるな。
「違うっつってんだよぉ! なんだお前は、喧嘩うってんのか!? っだぁぁ、頼むからエクスクラメーションマークを使わない台詞を言わせるようなことを言ってくれ!」
ほほう、貴様、神と喧嘩するというのか。その気になれば、この世すら完全に消し去ってしまえるこの私と。
「うっ、す、すみませんでした><;」
顔文字がうざったい。これだから最近の若者は感情表現を顔文字に頼って語彙が少なくなる。あぁ嘆かわしい^^;
(ここは我慢だ。落ち着け、俺はいたってCOOLだ。相手の言葉で逆上するなんて、俺らしくもない。COOLだ俺、COOLになるんだ)
ぬぅうううぉぉぉお! 投影術!
/\___/ヽ
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「それじゃっねーよぉ!」
ふむ、渾身の投影術だったのだが、お気に召さなかったらしいな。
「あぁぁぁ、日常が、俺の平和な日常がぁぁぁ」
何を言う。今も至って平和、いや、平和が過ぎているではないか。世界はすでにラヴアンドピース、私と貴方もL・O・V・Eしちゃう。
(駄目だなぁ、どうも俺、我慢が足りないみたいだ。そうだ、寝よう。寝てれば干渉されないし)
「寝る」
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